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東海道中膝栗毛 楽日 ~大阪見物~ [講談]

一週間の続き読み最終日。
関西テレビの取材が入る。
12月5日ぐらいにニュース番組で放送予定とか。

テーマは、「ワッハ上方が無くなるが、その時講談師はどうする?」
まあ、どうもしませんが。

それよりも、
「講談が大ブーム!」
とか、
「落語よりも講談が大人気!」
というニュースを流してほしいですね。

すると、講談会にお客さんがドッと来るかもわかりません。

しかし、視聴者から、
「また、ねつ造だ」
とか言われたりしてね。
(舞台でこんなことを言っているので、私の場面はカットされていると思います)

さて、
明日になれば百両が貰えると知った弥次さん喜多さんは、
新町へ行きたいというが、案内人は、
「そんなボロボロの着物では相手にしてくれません」
「金さえ払えばいいじゃないか」
「宿場女郎と新町の太夫では見識が違います」

そこで大丸呉服店で着物を作る。
百両が入るのだからと、二人とも立派な着物。
宿屋で大騒ぎ。
翌日、案内人と弥次さん喜多さん、三人で坐摩神社へ行くと、世話人が、
「神社の修繕のために、百両から十両を引かせて頂いてもよろしいですか」
「構いませんよ」
「世話人への祝儀に五両引かせて頂いても」
「構いませんよ」
「後くじを五両で買って頂いても」
「構いませんが、百両が無くなるんじゃ」
「いえいえ。二十両だけ先に引かせて頂いて、残り八十両はお渡しします。で、当たりくじは」
「これです」
当たりは「子の八十八番」。
喜多八が渡したのは「亥の八十八番」。
干支が違う。
呆れた世話人。
「三人もいて気付かないとは阿呆な人達だ」
「阿呆だ」
「阿呆だ」

恥をかいて、宿屋に戻ってくる弥次喜多
そこへ大丸から着物と請求書。
莫大な金額。
弥次さんが、
「この請求書は我々のではない。干支が違う」
請求書に干支はありませんが。

実はすかんぴんであると告白した弥次喜多。
すると、河内屋の主人が立派な人で、
その着物の代金を支払ってくれる
「河内屋に泊まればお客さんである。
金があろうが、なかろうがお客さんを大切にもてなすのが宿屋だ」
それから、弥次喜多を住吉神社に連れて行ってくれる。
あちらこちらゆっくりと見物させて、路銀を持たせてくれる。
実に素晴らしい人物。
この河内屋は明治半ばまで営業しておりました。
「弥次喜多の間」というのがあったそうです。
二人は金毘羅、安芸の宮島、善光寺、草津温泉を回って、江戸に向かう。
江戸の近くで昔の知り合いに会う。
元の女房お福が材木問屋で真っ黒になって働いているということを聞き、
すぐに江戸に行く。
お福とまた夫婦一緒になって、材木問屋で働くことになった弥次さん。
しかし、根が無精者ですから、いつまで続くかはわかりませんが。
長い長い物語。
これをもちまして大団円。

打ち上げは常連さんのご夫婦が招待して下さる。
料理かと思えば、すっぽん料理と、クエ鍋。
お腹一杯になりました。
有難うございます。
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おはなしめいろ

上方講談協会主催の「上方講談を聞く会」がワッハ上方でありましたから、
下のジュンク堂で、藤本和也さんの新刊を買ってきました。
子供向けの遊べる絵本です。

ホームズが泥棒を捕まえるのですが、ワトソン役は我々読者です。
文章が迷路になっていて、
正解だとゴールにたどり着きます。
間違っていると、行き止まりになってしまいます。
例えば、
「これは、よめない。あきらめろ。」
「これは、ただのらくがきだ。」
「これは、かんだんだ。」
「これは、ただではおしえられない。」
は行き止まりになりますから、不正解です。

「これは、ただのらくがきではない。~」
という風に文章が続いていくのが、正解です。
迷路が七つ。
そして、特大迷路が一つ付いていますよ。

親子で楽しめる絵本です。
ぜひお求め下さい。
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法然上人御一代記 [講談]

法然上人御一代記の依頼があり竹林寺さんへ。
立派なお寺。
赤穂義士銘々伝の後、法然上人のお話。

お寺と講談はよく似合う。
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竹田城の講談師 [講談]

NHKの朝の番組「西日本の旅」に南青がリポーターとして出演。
兵庫県朝来市の竹田城。
鎧を着て、ドタドタと城を走っているのをみて、笑いました。
面白い番組でした。



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藤本和也さんの新刊

南湖の講談会のチラシでお馴染みの藤本和也さんの新刊が出ました。
藤本さんが他の仕事を断って、全力を尽くした本です。
(他の仕事というのは、南湖が半年前からお願いしている新作手拭いイラストなんですが)

内容は名探偵ホームズです。
たくさんイラストを描いているそうです。
ホームズファンも、藤本ファンも必見ですよ。
ぜひぜひお読みください。



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東海道中膝栗毛 6日目 ~宿屋仇~ [講談]

昨日の打ち上げの話。
すごく楽しい時間であった。
楽しかったのは覚えいるのだが、何を喋ったのかあんまり覚えていない。

大阪に行くつもりだったが、もう少し面白い場面があるので、ちょっとお話を戻す。

弥次さん喜多さんが丹波街道を歩いていると、
子供釣りをしている。ヤマメが釣れる。
弥次喜多は釣り竿がないので川をせき止めて魚を捕まえようとする。
すると、下の村から百姓60人が竹槍をもって上がってきた。
川の水が止まったら大変なことになるのだ。
逃げる両人。

馬方が馬に乗って行けという。
一匹しかないので、弥次さんが乗る。
「喜多さんや。年寄りに花を持たせるんだ」
ところが、この馬は右の後ろ脚だけが長い。
ヒョコタンヒョコタンと歩くので、馬上の弥次さん大いに揺れる。
「馬から落ちたら馬方の首を切るぞ」
馬方は、
「ちょっとお待ちを」
どこかへ消える。戻って来た時には、腰に刀をさしている。
「簡単に首はやれねえ。その時は果たし合いだ」
驚いた弥次さん、
「物騒だな。喜多さん、馬から降りるからお前が乗ってくれ」
「いやいや。年寄りには花を持たせなきゃあ」

茶店に入った馬方。
「忘れ物の刀を届けに来ました」
弥次さん、
「なんだ。忘れ物だったのか」
「お前さんが切るといった時に、忘れ物があったのを思い出したのだ」

茶店で酒を飲む馬方。
やがて出発。

平たんな道で馬は揺れなくなったが、馬方が酔っ払っている。今にも倒れそう。
馬方は、
「ちょっとお待ちを」
草むらの中に入って眠った。
いつまでも戻ってこない。
仕方がないから、宿まで歩いて行く。

宿は相部屋。
旅の僧侶が部屋にいる。三人で話。大いに盛り上がる。
湯からあがって、座り相撲。部屋の中でドッスンバッタン。
夜中過ぎても騒いでいる。
隣の部屋からパンパンと手を叩く音。
主が部屋に行くと、侍。侍が言うには、
「隣の僧侶は盗賊。夜中に捕まえるからそのつもりで。他の部屋には迷惑かけないが、二人の旅人には内緒で伝えてくれ。部屋を変えると僧侶が怪しむ。そのままで」
主は困った。
ソッと弥次喜多を呼び出して話をする。
二人は驚いた。
部屋に帰ると、騒ぐどころではない。
すぐに布団を敷いて中にもぐる。
しかし、気が気で眠ることが出来ない。
宿はシーンと静まり返る。
翌朝。侍が手を叩いて主を呼び出す。
「宿賃を払って出立するから」
「それよりも盗賊はどうなりました」
「あれは嘘じゃ。お陰で静かになった。ゆっくりと眠ることができた」
隣でこれを聞いた弥次喜多は驚いた。
「昨日は一睡も出来なかった」

両人、船に乗って大阪へ。
八軒家へ到着。
南へ歩いて、長町七丁目。河内屋という宿へ泊まる
盲目の按摩が揉ませてくれと部屋にやってくる。
二人は、
「俺たちが揉んでやろうか」
「ああ、江戸の方ですね。殿方は江戸の方がよろしゅうございます」
「俺たちの年を当てたら揉ませてやる」
年を見事に当てる按摩。そらそうだ。実は目が見えているのだから。

翌日、案内を連れて、上方見物。
天神橋で坐摩神社の富くじを拾う。
境内に行くと、一番百両が当たっている。
金は翌日受け取ることに。

続きは明日。

打ち上げは焼肉「空」。
鶴橋に来たら、一度は焼肉に行きたい。



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東海道中膝栗毛 5日目 ~京見物~ [講談]

京の茶店で一服する弥次喜多
茶店の婆さんが泣き出す。
先日亡くなった息子に弥次さんがそっくりらしい。
泣きながら甘酒を出す。
婆さんの涙、鼻水が入った甘酒を飲む両人。

方広寺にやってくる。
天正14年に太閤秀吉が建立した寺。
奈良の大仏よりも大きな大仏。
手の平には畳八畳敷けたという。
狸の金玉と同じ。
京の大仏として親しまれている。
現在はない。
方広寺の鐘が有名。
「国家安康」「君臣豊楽」の文字。
家と康が切り離されている。
豊臣の世の中を願っている。
という言いがかりをつけて大阪城を攻める徳川家康

柱に大きな穴。
田舎の参拝客が楽しそうにくぐっている。
喜多さんはやせているのですっと通る。
弥次さんは途中で体が抜けなくなって大変。

三条までやってくる。
小便桶を担いだ男。
「大根、小便しよ」
これは小便すると大根をくれる肥担ぎ。
喜多さんも小便する。
「良い小便だ。小便は関東に限る」
弥次さんは小便が出にくい。
肥担ぎが、
「出にくい酒樽は頭に錐で穴を開けたら、下からシャーシャーと酒が出る。おめえの頭に錐で穴を開けようか」

向こうから頭に物を乗せた女商人。
冷やかす弥次さん。
なぜか梯子を買うことになる。

宿へ泊まる
宿の亭主が不審がって、
「あの梯子は何ですか?」
弥次さんが作り話。
「実は京に住んでいた男が親元を離れて江戸に来ている。親元から便り。親は無筆なので梯子を送ってきた。
その心は『上ってこい』。つまり都へ帰れということだ。
息子も無筆だが負けていない。梯子と坊主を送り返して、坊主には撞木だけを持たせてある。
心は『帰りたいが金がない』」

梯子を担いで見物できないから、忘れた振りをしようとするが、
宿の下女に見つかってしまう。

北野天満宮へ。
門前の茶店に梯子を預ける。
東門から入って、南門から帰るつもり。
梯子を捨てて帰ろうと考えたのだが、間違って東門に出てしまう。
茶店の女が、
「梯子お忘れですよ」
弥次喜多は逃げる。

淀の大橋から船に乗って大阪へ。

続きは明日。

打ち上げは雀のおやどのオーナーさんにお世話になる。
12月2日の南青結婚祝賀講談会の打ち合わせをしながら、お寿司を頂く。
お腹一杯。



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“トリビア”SONGアワー 第二弾 [ラジオ]

デジタルラジオの収録。
ABCのスタジオ
新しくて機材が素晴らしい。
パソコンに歌手名を入れると、一瞬でその歌手の歌ったタイトルが表示され、
そのタイトルをクリックすると、その歌が流れだすという。
レコードもCDも必要なし。
凄いなあ。
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スタジオの向こう側で作業をするのは上ノ薗ディレクター

10月の放送に引き続き第二弾。
今回は俳優を中心にセレクト。

小林旭/恋の山手線
大泉滉・ザ・ブレッスン・フォー/UFO音頭
由美かおる/ドン・ズバ
白木みのる/銭ドルソング
草刈正雄/アローンアゲイン
かたせ梨乃&カツヤクキン/ムキムキマンのエンゼル体操
早見優/キッスは殺しのサイン
平泉成/夜を抱きしめたい
野坂昭如/黒の舟唄

ABCのビルからの眺め。 
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東海道中膝栗毛 4日目 ~三十石船~ [講談]

伊勢参宮を済ませた弥次さん喜多さん。
口は達者ですが足は無精者。
このまま江戸へ帰るよりも京、大阪を見物しようじゃないかと、相談がまとまり、
近鉄特急に乗って、奈良を通り過ぎて、京都へ。

伏見の京橋にやってきたのは、日も暮れようという頃合。
大阪八軒家に行く乗合の三十石船がありますから、京よりも先に大阪見物しようと、
下りの船に乗り込んだ。
苫をかけて夜船は走り出す。

弥次さんが、
「しまった。小便がしたくなった。船縁でするのは落ちそうで嫌だし、困ったなあ」
近くに金満家のご隠居が三人前の席を取り、小僧長松を連れて乗っている。
困っている弥次さんを見て、
「旅のお方、都で尿瓶を買って来たから、それでやりなされ。火鉢の傍に置いてある」
「これは有難い」
暗がりの中、手探り致しまして、火鉢の傍にあった急須を掴んだ。
急須は上方ではお茶を入れるのに使いましたが、当時江戸にはなかったそうで。
急須を尿瓶と勘違いした弥次さん、どこから入れたらよいのかまごまごしていましたが、
やがて急須の蓋が開きましたから、ここへ小便をして、火鉢の傍へ返す。
ご隠居は燗酒が飲みたいと思いましたから、
「長松、燗酒をおくれ。……よく寝ていなさるな」
火をおこして急須を手に取ると、中に何やら入っている。
「はて、長松の奴が茶を入れるつもりで水を入れたのかな」
中身を川へ捨てまして、樽から酒を入れて、火にかける。頃合いを見て、
「どうかな」
と茶碗に入れて、口のあたりまで持ってくると、妙な臭いがする。
ちょっと口に含むと、
「うえー。なんじゃこの味は。酒が腐ったかな」
喜多さんに向って、
「酒を飲むかな」
「これは有難い」
大好きな酒。こういうときに飲まなきゃあならんと思いまして目一杯茶碗に注ぐと、ガブガブッと飲んだ。
「うげー。うげー。なんじゃこの酒は。弥次さんも飲むか」
弥次さん、先程から見ていると、自分が小便をした急須に酒を入れて飲んでいますから、
「いや、いらん」
「弥次さん、なぜ飲まん。酒が大好きじゃないか」
「今日は休肝日」
そんなことはいいませんが。
隠居が気付いた。
「最前、この急須に小便をしなさったな。それで飲まんのじゃろ」
隠居と弥次さんは苫を上げて、船縁から顔を出して、川に吐いた。
川水で口をゆすいだご隠居が、
「口直しに酒を飲みたいが、入れるものがない。ああ、尿瓶があるか。買って来たばかりじゃからきれいや」
面白い人があったもので。尿瓶に酒を入れて、火にかける。
これを飲むと、ほんまもんの酒。
「ああ。うまい。混じりけなしの酒じゃ。喜多さんもどうじゃ」
「ええっ。尿瓶酒。本当に新しいんでしょうな。ゴクゴク。ああ、旨い。茶は土瓶、酒は尿瓶に限りますなあ」
弥次さんも船の連中にも尿瓶を回して、皆が飲んだ。
すると、青い顔した病人が乗り込んでおり、隣には介護人。
病人は飲みませんが、介護人がゴクゴクと飲んだ。再び尿瓶を回しましたが、
この尿瓶酒を飲んだ弥次さんが、
「うげー、こら、混じりけなしの小便だ」
病人の尿瓶と間違えたんで、船の中は大騒動。

やがて、小舟が寄ってきて、
「餅くらわんか。酒くらわんか」
ここらの名物くらわんか舟。

そして、大雨。
船をこぐことが出来ませんから、岸に寄せる。
丁度、上りの船と下りの船が行き交う所。
今度は雪隠に行きたくなった弥次さん。
人々が岸に降りているから、一緒に降りて、適当なところを見つけて用を足す。
見上げると綺麗な月。輝く星。
雨が止んで船が動きだしたから、慌てて乗り込んだ両人。
船の中で眠る。

やがて夜が白々と明けて、烏の鳴き声が聞こえてくる。
船頭が、
「船がつくぞーい」
船から降りた弥次さん喜多さん、
「大阪に着いた。まずは新町に行きたい」
「いやいや、鶴橋で焼き肉を食べよう」
朝早くからはやっていませんが。

実はここは大阪八軒家ではなく伏見の京橋。
二人は途中、岸で降りたときに、自分たちが乗ってきた下りの船と間違えて、上りの船に乗り込んでしまったのだ。
大失敗。
二人の荷物の風呂敷包みだけが大阪へ着いた。
仕方がないから、先に京見物をすることに。

続きは明日。

終わってから、鶴橋風月でお好み焼き
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食べ終わってから、天満講談席へ。



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東海道中膝栗毛 3日目 ~箱根・三島・蒲原の宿~ [講談]

OBCの収録の話

近所の者に路銀を借りて、八丁堀の裏長屋を畳んで、江戸を出立した弥次さん喜多さん。
箱根の宿を出たところで、商人風の旅人、十吉に出会う。
三人旅。

子供スッポンをいじめているから、金を出して助けてやる。
今晩の酒の魚にするつもり。
助けているのかどうか。

宿に泊まる
藁苞の中にスッポンを入れて床の間に置く。
宿の主が、
「宿帳をつけますので、国とお名前をお願いします」
「泉州堺、天川屋義平」
「性別は」
「男でござる」
「冗談言っちゃあいけません」

夜中、弥次さん喜多さんが眠っていると、
藁苞の中のスッポン、腹が減ったのかノコノコ這い出てきて、
喜多さんの布団に入った。
驚いた喜多さん、スッポンを手で払いのけると、スッポンが飛んで、
弥次さんの顔にべチャーとへばりついた。
気持ち悪からのけようとするときに、スッポンも一生懸命ですから、
弥次さんの指をガブッと噛んだ。
「ギャー。痛い~」
この騒ぎの中、十吉は弥次さんの胴巻きから金を盗んだ。
こいつは護摩の灰で、こういう商売をしている。
弥次さんが金を持っているの知って、箱根から狙っていたのだ。
そのまま十吉は裏道から逃げてしまう。
弥次喜多は一文なしになってしまった。

蒲原の宿へやって来た時、
宿には60過ぎの六部と17、8の巡礼姿の娘。
六部は訥々と不思議な話をする。
昔、江戸で箱屋の商売をしたが失敗した。
江戸では風がよく吹くので、風が吹けば箱屋が儲かると思ったのだ。
それで今は六部。

隣にいるのは孫娘。
20年ほど前に雷が落ちた。
落ちたところが悪かったので腰を痛めて、雲の上に戻れなくなった雷。
六部が世話をしてやったが、やがて娘さんと恋をする。
娘が妊娠
雷は雲の上に帰ったが、やがて熊野の沖に落ちた時に、鯨に食べられてしまった。
娘は、父親の雷に似た子を産みたいと思った。
角が生えた子が生まれるように祈ったが、生まれたのは角の無い普通の子。
親に似ぬ子は鬼子と言うが、鬼子なのに鬼じゃない。

喜多八はこの娘と仲良くなりたいと思う。
宿の婆と娘は二階で寝る。
宿の主、六部、弥次喜多は一階で寝る。
やがて、夜中に目を覚ました喜多八、娘の布団に忍び込もうと二階へ上がったが、
間違って、婆さんの布団に入った。
婆さんの悲鳴。
驚いて逃げる喜多八は、二階を踏み抜いて、一階へ落ちる。
落ちたのが丁度、仏壇の中。
宿の主が起きて来て、
「なぜこんなところにいるのじゃ」
「雪隠と間違いまして」
「二階に行っていたのじゃろう」
「猫が褌をくわえて持って行ったので追いかけました」
「婆さんの布団に入ったのか」
「女郎買いの夢をみておりました」

ケラケラ笑っている弥次さん。
「喜多さん。猫が褌をくわえていったと言ったろう。面白い話を考えた」
「どんな話だ」
「猫が六部の六尺褌をくわえていくと、チントンシャンと三味線の音色が聞こえてきた」
「ほう」
「次に弥次郎兵衛の褌をくわえていくと、またチントンシャンと三味線の音色が聞こえてきた」
「ふーん」
「今度は喜多さんの褌をくわえていったんだ。喜多さんは越中褌だから短い。
大方、胡弓の音色でも聞こえるかと思ったんだが、聞こえてきたのはデンデンデンという義太夫三味線の音」
「どうして?」

どうしてなんでしょうか。続きは明日。
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講釈場の看板はトリの者が書くそうです。
毎回、南海さんの筆。

「天王山之合戦」旭堂南海
「弥次喜多道中」旭堂南湖
「源義経」旭堂南青



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