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東海道中膝栗毛 4日目 ~三十石船~ [講談]

伊勢参宮を済ませた弥次さん喜多さん。
口は達者ですが足は無精者。
このまま江戸へ帰るよりも京、大阪を見物しようじゃないかと、相談がまとまり、
近鉄特急に乗って、奈良を通り過ぎて、京都へ。

伏見の京橋にやってきたのは、日も暮れようという頃合。
大阪八軒家に行く乗合の三十石船がありますから、京よりも先に大阪見物しようと、
下りの船に乗り込んだ。
苫をかけて夜船は走り出す。

弥次さんが、
「しまった。小便がしたくなった。船縁でするのは落ちそうで嫌だし、困ったなあ」
近くに金満家のご隠居が三人前の席を取り、小僧長松を連れて乗っている。
困っている弥次さんを見て、
「旅のお方、都で尿瓶を買って来たから、それでやりなされ。火鉢の傍に置いてある」
「これは有難い」
暗がりの中、手探り致しまして、火鉢の傍にあった急須を掴んだ。
急須は上方ではお茶を入れるのに使いましたが、当時江戸にはなかったそうで。
急須を尿瓶と勘違いした弥次さん、どこから入れたらよいのかまごまごしていましたが、
やがて急須の蓋が開きましたから、ここへ小便をして、火鉢の傍へ返す。
ご隠居は燗酒が飲みたいと思いましたから、
「長松、燗酒をおくれ。……よく寝ていなさるな」
火をおこして急須を手に取ると、中に何やら入っている。
「はて、長松の奴が茶を入れるつもりで水を入れたのかな」
中身を川へ捨てまして、樽から酒を入れて、火にかける。頃合いを見て、
「どうかな」
と茶碗に入れて、口のあたりまで持ってくると、妙な臭いがする。
ちょっと口に含むと、
「うえー。なんじゃこの味は。酒が腐ったかな」
喜多さんに向って、
「酒を飲むかな」
「これは有難い」
大好きな酒。こういうときに飲まなきゃあならんと思いまして目一杯茶碗に注ぐと、ガブガブッと飲んだ。
「うげー。うげー。なんじゃこの酒は。弥次さんも飲むか」
弥次さん、先程から見ていると、自分が小便をした急須に酒を入れて飲んでいますから、
「いや、いらん」
「弥次さん、なぜ飲まん。酒が大好きじゃないか」
「今日は休肝日」
そんなことはいいませんが。
隠居が気付いた。
「最前、この急須に小便をしなさったな。それで飲まんのじゃろ」
隠居と弥次さんは苫を上げて、船縁から顔を出して、川に吐いた。
川水で口をゆすいだご隠居が、
「口直しに酒を飲みたいが、入れるものがない。ああ、尿瓶があるか。買って来たばかりじゃからきれいや」
面白い人があったもので。尿瓶に酒を入れて、火にかける。
これを飲むと、ほんまもんの酒。
「ああ。うまい。混じりけなしの酒じゃ。喜多さんもどうじゃ」
「ええっ。尿瓶酒。本当に新しいんでしょうな。ゴクゴク。ああ、旨い。茶は土瓶、酒は尿瓶に限りますなあ」
弥次さんも船の連中にも尿瓶を回して、皆が飲んだ。
すると、青い顔した病人が乗り込んでおり、隣には介護人。
病人は飲みませんが、介護人がゴクゴクと飲んだ。再び尿瓶を回しましたが、
この尿瓶酒を飲んだ弥次さんが、
「うげー、こら、混じりけなしの小便だ」
病人の尿瓶と間違えたんで、船の中は大騒動。

やがて、小舟が寄ってきて、
「餅くらわんか。酒くらわんか」
ここらの名物くらわんか舟。

そして、大雨。
船をこぐことが出来ませんから、岸に寄せる。
丁度、上りの船と下りの船が行き交う所。
今度は雪隠に行きたくなった弥次さん。
人々が岸に降りているから、一緒に降りて、適当なところを見つけて用を足す。
見上げると綺麗な月。輝く星。
雨が止んで船が動きだしたから、慌てて乗り込んだ両人。
船の中で眠る。

やがて夜が白々と明けて、烏の鳴き声が聞こえてくる。
船頭が、
「船がつくぞーい」
船から降りた弥次さん喜多さん、
「大阪に着いた。まずは新町に行きたい」
「いやいや、鶴橋で焼き肉を食べよう」
朝早くからはやっていませんが。

実はここは大阪八軒家ではなく伏見の京橋。
二人は途中、岸で降りたときに、自分たちが乗ってきた下りの船と間違えて、上りの船に乗り込んでしまったのだ。
大失敗。
二人の荷物の風呂敷包みだけが大阪へ着いた。
仕方がないから、先に京見物をすることに。

続きは明日。

終わってから、鶴橋風月でお好み焼き。
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食べ終わってから、天満講談席へ。



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